Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
平均高さ40〜60mの送電鉄塔頂部を利用したNeWMeK風速記録(1993〜03年)に基づいて,風力エネルギー開発のための九州地区の風速分布特性を検討し,以下の所見を得た. 1.1年間平均風速では,九州北西の沿岸部で3.5m/s程度となるが,5m/sを超える地点は少ない.また,本結果はNEDO技術開発による風況マップに比べて,山地部で差異が目立つ. 2.月平均風速及び季節別では,冬季12,1月および春季2,3,4月に平均風速が高いが,台風による強風を除けば,夏から秋にかけての平均風速は小さい.年間平均風速では高風速でも,一年を通じて安定している観測点は希である。 3.10分間平均風速の標準偏差を日平均風速値で除したものを「日平均乱れの強さ」と定義し,長周期的な変動の指標とした.年間平均風速の高い観測点ほど日平均乱れの強さは小さい.また,12,1,2月では日平均乱れが小さく,台風時を除いても夏季は大きい. 4.風向出現率は観測点周辺地形の影響を強く受けるため,観測点毎に値が大きく異なる.一般に沿岸部に比べて九州中部の山間地で風軸上の風向出現率が大きい.北及び西よりの風が主風向となる観測点が多く,西風の場合に風軸上の風向出現率が大きい.主風向に着目した平均風速は全風向を考慮した年平均風速より高い風速を示す傾向がある. 5.風力エネルギー密度分布は,平均風速分布に比べ観測点ごとの値の差が顕著になり,本研究で用いた手法では九州全体の傾向を把握できなかった.NEDO技術開発による風力エネルギー密度マップを比較すると分布傾向が大きく異なる.北よりの風では九州北東部で風力エネルギー密度がやや大きい.東風の場合には熊本・大分両県を中心にした観測点で,南風の場合には九州北部の観測点で,また西風の場合には北九州から大分を中心とした九州北東部の観測点で,風力エネルギー密度が高い傾向が見られる.
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