環境低負荷な鉄とシリコンからなるベータ鉄シリサイド半導体を用いた太陽電池の検討
Project/Area Number |
14655236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90219080)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 鉄シリサイド / 太陽電池 / MOCVD / エピタキシャル |
Research Abstract |
太陽電池は、クリーンなエネルギーで大規模な施設を必要としないため、エネルギー問題を解決する切り札として長年期待され研究されてきたが、現在までに十分普及しているとは言えない。その根本的な理由として、現在検討されているシリコン系のものは本質的に変換効率が最大13%と低く、構造が複雑となるため、低コスト化が測れないことが挙げられる。従って効率向上は不可欠要素であるが、現在検討されている高効率な太陽電池材料はガリウム-砒素(GaAs)等の化合物半導体で、資源埋蔵量及び人体への安全性、環境への負荷から考えると、屋外に設置して大量に使用することは現実味がない。これに対し地殻資源埋蔵量が豊富な鉄とシリコンから構成される化合物半導体であるベータ鉄シリサイド(β-FeSi_2)は、30%以上と高い理論効率の太陽電池が作成可能と予測されている。しかも構成元素の鉄とシリコンの分離回収が可能であるというリサイクル性にも富み注目される材料である。 申請者はこれまでにβ-FeSi_2について研究を行なってきており、MOCVD法によってSi基板上に高品質の1μm膜厚のエピタキシャル薄膜を作製し、高品質のエピタキシャル薄膜の作製に成功した。 本年度は、上記研究成果を受けて太陽電池作成のための基礎特性の把握を行うことを目的とした。その結果、以下の結論を得た。 1)β相をエピタキシャル成長させる基板の条件は、格子整合よりむしろイオンが均一な面で構成されていることが重要である事が明らかになった。 2)電気伝導度およびその温度依存性は、Fe/Si比や結晶構造(非晶質、多結晶、エピタキシャル成長)に大きく依存せず、安定している事がわかった。 3)PL発光に影響を及ぼす重要な因子として、欠陥の関与が予想され、Siの拡散が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)