近接場X線励起法の開拓によるナノ局所X線光電子分光分析法の開発
Project/Area Number |
14655314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岡崎 敏 福井大学, 工学部, 教授 (40025383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 所長(研究職)
堀中 順一 福井大学, 工学部, 助手 (00313734)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 走査型近接場X線顕微鏡 / ナノ局所X線光電子分光法 / ポイントフォーカスX線管 / シリコンドリフトディテクター / キャピラリープローブ / 走査型透過X線顕微鏡 / 走査型蛍光X線顕微鏡 |
Research Abstract |
まず、現有する多機能走査プローブ分析顕微鏡装置を本研究目的のために再構築するための綿密な予備検討を行った。その後、近接場X線励起法の開拓を中心として、以下の二法について基礎検討した。その結果、新規走査型近接場X線分析顕微鏡開発についての多くの知見が得られた。 (1)ポイントフォーカスX線管を用いて、X線源に金属プローブを接近させ、プローブ先端で散乱するX線をエネルギー分光可能なSDD検出器(シリコンドリフトディテクター)により測定した。この際、先端が媒質に接近した場合の近接場効果を調べることにより、金属プローブの先端から生ずる蛍光X線の強度がどのように変化するかを検討した。その結果、蛍光X線強度に、媒質へ接近し波長に近い距離で、近接場効果によると見られる増強が観測された。 (2)微小スポットのX線を検出する方法として、代表者らが近接場顕微鏡の研究で開発してきた石英キャピラリーをプローブとする方法について検討した。すなわち、先端にサブミクロン径の微小開口を開けた石英キャピラリープローブを製作し、X線管の表面に接近させて透過X線強度の変化を測定した。その結果、X線管表面に1nm程度まで接近させると十分な感度で検出できる強度が得られることを確認した。以上の検討から、ポイントフォーカスX線管を用いて、透過X線強度をサブミクロン程度の分解能で走査型X線顕微鏡を実用化する可能性を確認した。 本萌芽研究の成果から、新規なナノスケール表面分析法として、キャピラリープローブによる透過X線顕微鏡、および金属プローブ先端の散乱X線を測定する蛍光X線顕微鏡の開発が可能であること見いだした。今後、研究分担者の研究所において、実用化研究が推進される予定である。研究代表者は、定年退職直前まで科学研究補助金を得て、本萌芽研究により、全く新規な走査型近接場X線分析顕微鏡を開発する可能性を探る研究を全うできたことは、代表者が命名した走査型近接場顕微鏡の開発に関する一連の研究を集大成できたと心から感謝する次第である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)