水環境下で自発的、可逆的に伸張/収縮するプラスチックフィルムの創成
Project/Area Number |
14655356
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 義夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60016649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 直紀 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80270924)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ポリ(3-ヒドロキシ酪酸) / ポリ(ビニルフェノール) / ポリマーブレンド / 水素結合 / 変形 / 生分解性プラスチック |
Research Abstract |
ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(PHB)とポリ(ビニルフェノール)(PVPh)から成る二成分ポリマーブレンドのフィルムは、水中に沈めると自発的に収縮し、この収縮したフィルムを水表面(空気-水界面)に移動すると自発的に伸張すること、この収縮と伸張はフィルムの空気-水界面から水中への移動と水中から空気-水界面への移動の繰り返しに応じて可逆的に繰り返し起こることを見出した。本研究の目的は、この興味深い可逆的収縮-伸張現象の分子機構を明らかにし、さらにこの現象の応用を検討することである。 本年度は、この現象を支配するポリエステル分子の化学的・物理的特性を検討するとともに、応用性を検討した。ポリエステル試料として昨年度に検討した微生物由来の高結晶性、完全イソタクトPHB、化学合成した低結晶性の高シンジオタクトPHB及び完全非晶質アタクトPHBの三種類のほか、新たに結晶性のポリ(ε・カプロラクトン)(PCL)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、非晶性のポリ(DL-乳酸)(PDLA)についても検討した。溶液からのキャストにより、種々の混合比のポリエステル/PVPhブレンドフィルムを調製した。イソタクト、シンジオタクト及びアタクトPHBのいずれのPHB試料も、非晶相においてPVPhと相容のブレンドを形成し、PVPhとブレンドするとシンジオタクトPHBの結晶形成は起こらなくなったが、イソタクトPHBは結晶を形成した。結晶形成性の強いPHB、PCL、PLLA及びPETとPVPhのブレンドフィルムは伸縮-伸張現象を示さず、またガラス転移温度の高い非晶性ポリエステルであるPDLAも同現象を示さなかった。分子鎖の伸縮、屈曲性を制限する結晶相の存在と高ガラス転移温度は可逆的伸縮/伸張現象を支配する因子となることが示唆された。伸縮現象を利用した薬物の制御放出の可能性を検討した。薬物モデルとしてカテキンを使用した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)