Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
平成15年4月から7月、九州大学箱崎キャンパス内のクズ群落においてマルカメムシの卵寄生蜂2種、マルカメクロタマゴバチとカメムシタマゴトビコバチの寄主探索および産卵活動を午前6時から午後7時まで1時間置きに観察を行った.その結果,昨年と同様,午前11時から午後3時にマルカメムシがクズ植物の主に新芽に産卵すること,その日新しく産み付けられたマルカメムシ卵にマルカメクロタマゴバチが午後2時から午後7時に到着し,産卵活動を行うことが再確認された.また,今年は早朝,午前6時から午後8時に一部のマルカメクロタマゴバチが寄主に産卵することが確認された.以上の結果から,マルカメクロタマゴバチは,明らかな活動周期があり,寄主卵が産みつけられた直後からさかんに寄主を探索し,寄主発見後日没まで,あるいは翌日早朝まで産卵を行うと考えられる.午前中から午後2時ごろまでは,クズの新芽の隙間などで休息し,寄主探索活動を行わない.マルカメクロタマゴバチはマルカメムシ卵だけで繁殖する単食性であり,寄主であるマルカメムシ卵が最も豊富である時間帯に寄主探索行動を行うように特殊化しているものと推察される.一方,カメムシタマゴトビコバチは朝7時から午後6時まで寄主探索と産卵活動を行い,活動時間帯の周期性は観察されなかった.カメムシタマゴトビコバチは,多食性でマルカメムシ以外の夜間に産卵するカメムシ卵にも寄生する.したがって,マルカメムシの産卵活動に応じた活動時間が周期性が認められないものと考えられる.本研究では,天敵である寄生蜂の固体追跡を実施し,寄生蜂の寄主探索および産卵活動に日周活動性があることを発見した.この方法は他の卵や蛹あるいは固着性寄主の寄生蜂でも利用できると考えられる.また,天敵の日周活動は害虫防除における天敵としての有効性を検討するうえで重要であり,他の天敵でも調べる必要があろう.
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