Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
地下水流動に伴う電荷移動に起因して発生する流動電位に着目して,地盤環境の大きな要素である浸透流の状況調査への応用について実証試験を行った。砂カラムを用いた定常浸透実験により,下流側が上流側より高電位になり,動水勾配にほぼ比例する流動電位が発生することを確認した。地下水の集中と斜面崩壊の関係,対策工による流動の変化を流動電位発生状況から検討するため,地すべり対策として広く実施されている地下水排除工の施工前後に自然電位探査を実施し,データをGIS化して比較を行った。試験地は火砕流堆積物台地にあり,2003年5月の地すべり発生後(12月)と2004年3月に地下水排除工が施工された後の5月に自然電位分布を解析した。施工前は後背地が崩壊部より低電位であることから,崩壊部へ向かう浸透流があったことが示唆された。施工後は集水ボーリング敷設範囲で電位が低下したことから,深度10mの集水ボーリングへ向かうように浸透状況が変化し,自然電位分布に反映したことが考えられた。このことは,扇状に配置された集水ボーリングのうち排水量の多い管の位置,試験地で測定している間隙水圧や地下水位の低下,また,地表の湛水の解消などの現地状況と整合的であった。地下水排除工の施工によって,集水ボーリングへ向かうように地下水の流れが変わり,斜面の安定性を高める効果が発現したと考えられる。浸透状況の簡便な調査法として自然電位測定が有効であることが明らかになった。土壌カラム内部の直流電位差を任意の一定値に保つように制御可能な試験装置を製作した。カラム中央にネコブセンチュウを放虫し,電位による密度の変化を調べる実験では,生息密度が変化する傾向が見られた。
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