Axin結合蛋白質Axamの脱SUMO化活性による新規β-カテニン分解制御機構
Project/Area Number |
14657034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 章 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10204827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50274064)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | Wntシグナル / β-カテニン / 蛋白分解 / Axin / Axam / SUMO化 / 脱SUMO化酵素 |
Research Abstract |
昨年度Axinに結合する新規蛋白質を単離してAxamと名付けた。本年度はAxamの機能解析を行った。AxamにはN末端側にimportin αと結合する核移行シグナルが存在して、中央部分にAxin結合部位が存在した。C末端側は、脱SUMO化酵素Senp1の触媒部位と相同性が高かった。SUMOはユビキチン類似蛋白質で、基質蛋白質にイソペプチド結合で結合し、SUMO化を受けた蛋白質はその細胞内局在や機能が変化することが知られている。Axamはin vitroと細胞レベルで脱SUMO化活性を示した。Axamはβ-カテニンの分解促進活性を有するが、これにはAxin結合部位と触媒部位の両者が必要であった。また、脱SUMO化活性を消失した変異体(AxamCS)はβ-カテニンの分解促進活性が減弱した。さらに、Axamをアフリカツメガエル初期胚の背側に発現させると頭部構造が欠損するが、この背側化活性にも脱SUMO化活性が必要であった。アフリカツメガエルのWntシグナル伝達経路の標的遺伝子であるSiamoisの発現がAxamにより抑制されたが、AxamCSではその抑制作用は減弱した。したがって、SUMO化はWntシグナル伝達経路の制御に関与し、Axamの脱SUMO化活性がβ-カテニンの安定性を調節すると考えられた。β-カテニンの安定性の制御にリン酸化とユビキチン化が重要であるが、本研究により、SUMO化と呼ばれる翻訳後修飾がβ-カテニンの安定性に関与することが示唆された。今後はWntシグナル伝達経路構成分子の中で、どの蛋白質がSUMO化の標的になり、SUMO化と脱SUMO化がβ-カテニンの安定性制御にどのように関わるのかを明らかにする必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)