ハマダラカ唾液腺蛋白質ハマダリンの痛み抑制機構の解明
Project/Area Number |
14657064
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
油田 正夫 三重大学, 医学部, 助手 (90293779)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
|
Keywords | 接触相 / ブラジキニン / インヒビター / ハマダラカ |
Research Abstract |
研究代表者は新たに、吸血性昆虫であるハマダラカの唾液腺にブラジキニンの生成を強力に抑制する蛋白質があることをみいだし、ハマダリンと命名した(特許申請中)。ブラジキニンは現在知られている最も強力な発痛・炎症性物質であり、炎症による疼痛と最も深く関係するとともに、多くの炎症性疾患の発症の鍵をにぎる物質である。本研究はこの蛋白質のブラジキニン生成抑制機構を明らかにすることで、新世代の抗炎症・鎮痛薬の創成への足掛かりとすることを目的とする。これまでに以下の成果をあげた。 1)再構成系を用いた作用機構の解明 異物の侵入、組織(細胞)の破壊によって接触相(contact system)が活性化されると、前駆体である高分子キニノゲンからブラジキニンが遊離され、その局所に炎症反応が引き起こされる。したがって、まず接触相を構成する蛋白質である、高分子キニノゲン、カリクレイン、XII因子を用いた再構成系を構築し、これを用いてハマダリンの接触相活性化阻害作用を調べた。その結果、ハマダリンは接触相の活性化反応を強力に阻害することが明らかになった。 2)BIACOREによる分子間相互作用の解析 ターゲツトと考えられる分子とハマダリンとの相互作用をBIACOREによって、解析した。その結果、ハマダリンは高分子キニノゲン、XII因子に結合することが明らかになった。またハマダリンはこれらの分子の細胞膜結合ドメインに結合し、膜上での接触相の活性化反応を阻害することで生理活性を発揮することが明らかになった。ハマダリンの結合部位を特定できたことは、同様の薬理作用をもつ分子を新たに作製するための重要な情報となった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)