ナイアシン欠乏状態がパーキンソン病を予防する可能性を実証する疫学研究
Project/Area Number |
14657090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
福島 哲仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90208942)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 疫学研究 / ナイアシン / 栄養調査 |
Research Abstract |
中国北京にある中国予防医学科学院(現中国CDC)との共同研究は、フィールド予定地域において重症急性呼吸器症候群が流行したため、平成15年度から中断している。引き続き問題となった鳥インフルエンザなど新たな感染症発生にも影響を受けたため、中国予防医学科学院との共同研究は、中断のリスクが大きいと判断した。現在は、フィールド地を中国湖北省襄樊市及びその周辺に変更し、長期的に安定して共同研究が可能な武漢大学公衆衛生学院の譚 曉東教授との共同研究に切り替えた。今年度、新たなフィールド地域住民のナイアシン摂取状況とパーキンソン病発生状況に関する予備調査を開始し、襄樊市周辺の農村地域でトウモロコシ生産地域のパーキンソン病有病率が極めて低いという結果を得つつある。この結果をふまえ、現在、襄樊市及びその周辺地域において10万人規模の悉皆調査を計画中であり、ナイアシン低摂取地域において、本当にパーキンソン病有病率が低いのかどうか、さらに詳しい栄養調査によって、パーキンソン病発症に関連した環境要因について引き続き検討していく予定である。 この疫学調査と並行して、仮説を裏付けるために実験室レベルの研究も進めており、これまでの疫学的分析と合わせて一定の到達点を整理しレビューとしてまとめた。この結果は、すでに雑誌に掲載されているが、体内に摂取されたナイアシンは、体内でNADH合成に使われるが、分解過程で脳を含め全身の組織でニコチンアミドが遊離し、メチル化が生じる。このメチル化されたニコチンアミドがミトコンドリアの呼吸鎖酵素複合体complex Iを直接的に、あるいはミトコンドリアDNA破壊を介して間接的に傷害し、神経細胞の脱落を招くのではないかと考えており、これを裏付ける結果を得つつある。実験室レベルの研究と中国における悉皆調査をさらに進め、表題にある仮説の検証を行っていきたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)