ディーゼル排気ガス暴露が結核感染症に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
14657148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
榊原 桂太郎 日本医科大学, 医学部, 助手 (10339393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 勇 結核研究所, 抗酸菌レファレンスセンター, センター長 (10196701)
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 講師 (10184194)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ディーゼル排気ガス / 結核菌 / IFN-γ / iNOS / マウス / 結核感染 / ディーゼル排気粒子 / 環境暴露 / 感染抵抗性 |
Research Abstract |
BALB/c(8週齢、♀)マウスを用い、結核研究所内のDEP曝露チャンバーにて高濃度(3mg/m^3)の条件下で1日7時間、週5日間、1ヶ月、2ヶ月、または6ヶ月間のDE曝露を行った。対照群は、同期間中クリーンルームで飼育した。DE曝露期間終了後、各群に結核菌(Kurono株、1×10^6cfu)を吸入感染させ、感染7週後に解剖し、肺・肝臓・脾臓の病理組織学的所見、肺及び脾臓内の結核菌生菌数、肺組織における炎症性サイトカイン・iNOS mRNA発現につき比較検討した。1ヶ月DE曝露群では対照群と比較し、脾臓内生菌数が若干少なかったのに対し、2ヶ月、6ヶ月とDE曝露期間依存性に肺・脾臓内生菌数は増加傾向を示し、6ヶ月DE曝露群では有意な増加がみられた。また、肺組織所見上DE曝露群では対照群に比し肉芽腫性病変の拡がりが高度であった。炎症性サイトカイン・iNOS mRNA発現については、対照群に比し1ヶ月、2ヶ月DE曝露群ではTNF-α、IL-1β、IFN-γ、iNO SmRNA発現の増強が認められたが、6ヶ月DE曝露群ではIFN-γ、iNOS mRNA発現の減弱が認められた。さらに、結核菌に対するDEPの毒性を調べるため、in vitroの実験を行った。DEPを結核菌に直接添加した場合、DEP濃度と生菌数との関連はみられず、DEPを貪食させたRAW264.7(マウスマクロファージ系細胞株)と結核菌の共培養では、高濃度DEPを貪食させたRAW264.7との培養で生菌数が増加する傾向がみられた。 以上より、長期かつ高濃度のDE曝露により生体の結核感染に対する感受性の増強が惹起される可能性が示唆され、その機序として、DEPの貪食による肺胞ヤクロファージの結核菌処理能(クリアランス、殺菌能など)の低下、DE曝露による炎症性サイトカイン等の反応性の変化が関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)