ボツリヌス毒素治療は求心性神経のバニロイド受容体にも作用するか?
Project/Area Number |
14657406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | University of Yamanashi (2003) 山梨医科大学 (2002) |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 勇雄 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50252424)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 求心性神経伝達 / 上皮型ナトリウムチャネル / 排尿筋過活動 / Valilloid receptor / Cannabinois recepter / CB1 / VR1 / Prostatic cell / Benign prostatic hyperplasia / Prostatic cancer / Cell growth and cell death |
Research Abstract |
目的;現在まで、ヒト膀胱排尿筋過活動状態や外尿道括約筋過緊張状態に対するボツリヌス毒素の局所投与の臨床経験が報告されているが、いずれも副交感神経末端におけるにアセチルコリン分泌抑制作用のみを前提として行われているものであった。しかしながら、ボツリヌス毒素の神経伝達抑制作用は遠心性神経だけではなく、求心性伝達抑制の可能性も否定できない。本研究では、ボツリヌス毒素の神経伝達抑制作用機序の解明に先立って、下部尿路組織(膀胱,尿道)および性器(前立腺、陰茎)の求心性伝達における新しい候補物質である上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)の意義について検討した。 結果:ヒト膀胱粘膜上皮におけるENaCの発現を蛋白レベルおよびmRNAレベルで検討し、その発現を証明した。さらに、正常膀胱に較べて、前立腺肥大症を有する閉塞膀胱の粘膜上皮においてENaC蛋白およびmRNAの発現は有意に増加していた。これらの結果から、膀胱粘膜におけるENaC発現の増加が、閉塞膀胱における排尿筋過活動の発生に関与し、過活動膀胱症状を引き起こしている可能性が考えられた。ラットに実験的下部尿路不完全閉塞を作成し、膀胱内圧測定を行うとともに、膀胱におけるENaC蛋白およびmRNAの発現を定量的PCR法で調べた。また、ENaCの拮抗薬であるアミロリドの影響を調べた。正常膀胱および閉塞膀胱では、ともに1mMアミロリドによって排尿間隔の延長と排尿閾値の上昇が見られた。正常膀胱と閉塞膀胱では、ともにENaCサブユニットの蛋白およびmRNAが発現しており、両者に差はなかった。 考察:以上の点からは、求心性伝達抑制を介したボツリヌス毒素の神経伝達抑制作用については言及できないが、ENaCは次の段階へ進むための重要なデータとなると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)