シラスバルーンを耐火材に応用した歯科用埋没材の開発
Project/Area Number |
14657506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤井 孝一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60156817)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 弘之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50244257)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | リン酸塩系埋没材 / シラスバルーン / 圧縮強さ / 熱膨張 / 硬化膨張 / 適合性 / 表面性状 / 稠度 / 操作性 / 硬化時間 / 歯科用埋没材 / 強度 / 通気性 |
Research Abstract |
高温鋳造用として臨床で用いられるリン酸塩系埋没材は、一般に、石膏系埋没材に比べてその強さが大きいために、鋳造体の掘り出しが比較的困難であり、また鋳造体の変形を余儀なくされる場合も生じる。そこで本研究では、シラスバルーンを市販リン酸塩系材料に加えて、臨床で使用可能と考えられた組成のリン酸塩系の高温鋳造用埋没材(試作材)を調製し、膨張量、圧縮強さ、適合性、表面性状など検討した。 (1)市販リン酸塩系埋没材へのシラスバルーンの添加量は、操作性を考慮して5〜15wt%とした。これに加えて硬化時間の調節のために1wt%の酸化マグネシウムを添加した組成の試作材について調べた。 (2)粉液比(L/P)はシラスバルーンの添加に伴い増加した。すなわち、市販材料のL/P=0.24に対して、シラスバルーンを5〜15wt%添加したものでは、操作性を考慮してL/P=0.3〜0.4の値とした。なお、試作材の稠度は市販材に比べて著しく低下し、JIS規格には適合しなかった。 (3)練和開始後より2時間経過した試作材の圧縮強さは、シラスバルーンの添加量が増加すると低下する傾向を示した。15wt%の添加した試作材の中での最も大きな低下率は約50%であった。 (4)2時間後の圧縮強さは、850℃の加熱により4.98〜6.25倍の値を示した。 (5)熱膨張量はシラスバルーンの添加により、市販材料に比べて膨張量(硬化・加熱膨張)は低下した。すなわち、市販材では850℃における加熱膨張率が1.78%を示したのに対して、試作材では0.891〜0.976%の値であった。 (6)鋳造体の適合性については、試作材の中から操作性、圧縮強さの低下率、膨張性などを考慮した上で、平均粒径35μmのシラスバルーンを10wt%添加したものを用い、合金はKメタルを使用して通法に従い、全部鋳造冠を作製して検討した。 (7)適合性は、市販材が原型よりも5.6%大きかったのに対して、試作材では7.1%小さくなった。 (8)表面性状は、着色や焼着きなどの点では、試作材は市販材とほとんど差異がないものの、最大表面あらさ(Rmax)が少しばかり大きな値を示した(市販材:13μm;試作材:16μm)。 以上の結果より、シラスバルーンを加えた試作材は、圧縮強さを著しく低下したものの、それ以外は埋没材としての所用性質を十分に充たしているとはいえず、現状のままでは臨床的応用できない。しかしながら、試作材のL/P値を市販材の値に近いもめに低下させれば、臨床応用の可能性が開けると考えられる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)