歯周病原細菌のヒト心臓血管系細胞に対する病原性発揮機構の解析
Project/Area Number |
14657547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
廣瀬 公治 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (10218836)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 歯周疾患 / 心疾患 / 線毛 / Porphyromonas gingivalis / Toll-like receptor / トリプシン / 虚血性心疾患 / 冠動脈 / 血管内皮細胞 / TRL-2 |
Research Abstract |
成人性歯周疾患の有病者のうち、その重症度が高い者ほど虚血性心疾患に罹患する割合が高いという疫学報告がなされている。しかしながら、これを支持する基礎的知見はいまだ少ない。そこで報告者は、ヒト冠動脈血管内皮細胞に対し成人性歯周疾患原因細菌であるPorphyromonas gingivalisが特異的に付着するか、またその付着因子の内皮細胞におけるリガンドの特定、更に付着因子が及ぼすヒト冠動脈血管内皮細胞への生物活性について検討を加えたところ以下の結果を得た。 1)P.gingivalis線毛はヒト冠動脈血管内皮細胞に付着した。 2)P.gingivalis線毛はヒト冠動脈血管内皮細胞膜上に発現しているTool-like receptor-2を認識して付着した。 3)P.gingivalis線毛はヒト冠動脈血管内皮細胞に付着することで同細胞からのトリプシノーゲンm-RNAおよびトリプシン産生を誘導した。 4)上記の現象はプロテインキナーゼCの活性化により誘導されることが阻害剤を用いた実験で検証された。 以上の結果より、歯周病原性細菌はTLR-2を介して心臓血管系細胞に感染する能力があり、さらには血栓形成に関与するトリプシン産生を同細胞から誘導する可能性を示すものである。よって本研究は歯周疾患と虚血性心疾患との関連を強く示唆する基礎的知見のひとつとなる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)