Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
細胞膜をαヘリックスが7回貫通する膜七回貫通型受容体は,アゴニストと特異的に結合して活性化し,細胞内にリガンド結合の情報を伝達する。本研究では,この受容体で代表的なヒトβ2アドレナリン受容体の構造をX線結晶解析により明らかにし,その機能の薬理学的な理解を得るために,結晶化に向けた,受容体を高純度で大量に調製する方法の構築を目的とした。 メタノール資化性酵母Pichia pastorisの発現ベクターのpPIC9K(酵母のα-ファクターの分泌シグナルを利用)をこれまで調製したが,さらに,pPIC9とpPICZαのベクターに本受容体の遺伝子を組み込んだベクターを調製し,酵母のゲノム中に挿入した発現株を作製した。 受容体のヒト遺伝子には,酵母では使用されないあるいは使用頻度が低いコドン(レアコドン)が含まれることから,酵母で使用されるコドンに置き換えたコドン最適化のコンストラクトを調製し,組換え株を得た。この最適化と培養法の改良により,糖タンパク質である本受容体の発現量を向上させた。 ベクターをゲノム中にできるだけ多く組み込まれたpPIC9Kマルチプルコピー株を調製し,ホストとしてSMD1168株を用いたところ,従来の蛋白質発現株に比して,さらに数倍高い発現レベルが得られた。しかし,ファーメンター装置による高密度での細胞培養では,発現が著しく減少した。一方,pPIC9株あるいはpPICZα株の培養では,高密度でも発現は良好であった。 精製では,PEGを用いて受容体を沈澱させて回収,種々の界面活性剤による可溶化,アフィニティーカラム,ゲル濾過カラムなどを用いる精製条件を種々検討した。また,受容体のリガンド結合活性を検定する方法を改良し,精製試料を短時間で大量に調製し,結晶化する見通しを得た。
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