従来の概念にはない脂肪細胞の機能解明-スカベンジ機能・貧食能と生体防御-
Project/Area Number |
14657585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (20231798)
國安 明彦 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (90241348)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / CD36 / クリアランス / 脂肪細胞 / アディポサイトカイン / 肥満 / 糖尿病 |
Research Abstract |
スカベンジャー受容体(SR)は、主にマクロファージ系において変性リポタンパクのクリアランスを担うが、この処理機構が破綻をきたすとマクロファージの泡沫化を引き起こし、動脈硬化の要因となると考えられている。脂肪細胞は従来、エネルギー産生が主要な役割と考えられてきたが、この細胞でも酸化LDLはSRの一つ、CD36を介してクリアランスされることを我々は見いだしたので、これを契機に多角的視点から詳細な解析を行い、「生体ホメオスタシス維持におけるSRを介した脂肪細胞の新しい役割」について、より一般化した概念を打ち立てようというのが本研究の目的である。 2年間に亘る本研究で、(1)高血糖患者に頻見されるAGE(糖化反応後期生成物)化タンパクの脂肪細胞でのクリアランスの有無、および、(2)動脈硬化や糖尿病患者に見られる酸化LDLあるいは高グルコース条件にさらされた脂肪細胞が、細胞機能上どのような変化をもたらすのかを調べた。その結果、(1)種々の化学形をもったAGE-BSAのほとんどが脂肪細胞に取り込み・分解されること、このクリアランス機能に関与するSRはCD36で説明できること、(2)酸化LDLあるいは高グルコースで刺激された脂肪細胞では、いくつかのアディポサイトカインや、CD36あるいはGLUT-4などの酸化LDLあるいはグルコース取り込み口の発現に有意の変化が観察され、それらはいずれも病態をさらに増悪させる方向への変化であることがわかった。 これらの事実は、生理学的、病態生理学的視点からも、糖尿病や動脈硬化における脂肪細胞の役割に新たな概念を提供するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)