アンギオテンシン阻害薬による新しい血管弛緩機序の解明に関する分子薬理学的研究
Project/Area Number |
14657619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 猛雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70159888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 佳克 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30254288)
藤本 征五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60079994)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アンギオテンシンII / 一酸化窒素 / 血管平滑筋 / 内皮細胞 / cyclic GMP / 抵抗血管 / アンギオテンシンII受容体 / 血管弛緩 |
Research Abstract |
ウサギ腸間膜動脈抵抗血管を用いて、血管の収縮-弛緩機序におけるアンジオテンシンIIの役割について検討した。これらの標本の血管壁には、1型アンジオテンシン受容体(AT_1R)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)とともにアンジオテンシンII(Ang II)が存在することを免疫組織学的に確認した。 内皮温存標本で、AT_1R阻害薬のolmesartanはアセチルコリン(ACh)による内皮依存性弛緩反応を増強させ、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害薬のL-ニトロアルギニンによりこのolmesartanの作用は抑制された。また、内皮除去標本で、olmesartanはNOドナーのNOC-7による弛緩反応を亢進した。しかし、olmesartanは内皮温存標本でのAChあるいは内皮除去標本でのNOC-7によるcGMP生成には影響を与えなかった。一方、β-escinによるスキンド標本において、olmesartan存在下で外因性に投与したAng IIは8-Br-cGMPによる弛緯反応を有意に増強し、2型アンジオテンシン受容体(AT_2R)遮断薬のPD123319によりこのAng IIによる増強反応は抑制された。 これらより、ウサギ腸間膜動脈抵抗血管では、平滑筋細胞にAng IIが局在してAT_1Rを活性化しており、これがcGMPの作用を少なくとも部分的に抑制することにより、AChによる内皮依存性弛緩反応を抑制していることが推察される。また、高濃度のAng IIは平滑筋細胞のAT_2Rを介してcGMPの弛緩反応を亢進させることが明らかになり、この条件下でAT_1Rを介した反応に拮抗的に働いている可能性が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)