Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
プロトタイプモデルを拡張した大学-学会モデルを理論構成し,これに基づく大規模な数値実験を行った.モデルにおけるエージェントは研究者を表し,エージェントは助手,教授,一匹狼の3職位を変容させながら,研究成果と研究資金の2変量で表される"資源"を獲得し,それを最大化すべく人工社会で多様な行動を見せる.資源獲得上,有利とみれば,自ら助手となって教授からの研究資金の供給を受けながら研究に専念する場合もあり得,また,教授となって配下に助手を雇用し,彼らに研究を行わせる一方で,自らは研究資金獲得に専心する選択肢もあり得る.これら二様はエージェントの生存上必須な2資源の獲得を職位に応じて分担し,効率的な組織運営により,大きな研究成果を上げようと意図するものである.逆に,自らの手で異なる2資源を獲得していく一匹狼を是とするエージェントも存在する.各エージェントはシンプレックス法で定式化された学習機構を持ち,過去の経験を参照しながら,自らの行動を意志決定する.実験の結果,相対的に多くの研究業績を上げるグループ(or一匹狼の単独研究者)がより多くの研究資金を集めるとの現実世界にもまま見受けられる研究遂行上のスケールメリットを加味すると,教授-助手による,所謂,講座制を保持したグループの方が,社会全体でみた研究効率的向上に寄与することが示された.一方で,成果の上がらない研究者は容赦なく生命をたたれるとの厳格な業績評価システムを導入し,かつ背後に能力的に等価な研究者予備軍が控えている場合(研究者の人的資源に制限がない場合)には一匹狼のシステムの方が,社会的にみた研究効率は高いことが判った.
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