鉄供給による貧栄養海域の窒素固定および有機物移出生産の制御
Project/Area Number |
14658151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 穣太 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (60202032)
武田 重信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20334328)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 窒素固定 / シアノバクテリア / Trichodesmium / Synechocystis / 共生藻 / 植物プランクトン / アセチレン還元法 / 珪藻類 |
Research Abstract |
昨年度東シナ海から得たTrichodesmium単離株を加えた培養株の窒素固定能の評価、熱帯・亜熱帯海域の窒素固定能とその鉄濃度およびリン酸濃度依存性、およびRichelia intracellulalisの生態に関して成果を得た。 Synechocystis培養株は明期に全く活性を示さず暗期にのみ活性が検出されたが、飽和光量下で1.3pM/μgChla/hと、同一条件下でのTrichodesmiumの最大活性90pM/μgChla/hに比べて著しく低かった。海産Synechocystisの窒素固定能に関する知見は極めて乏しく、今回の結果がこのグループの特性をどの程度代表するかについて今後海洋からの単離株を精力的に集めて精査する必要がある。 天然群集の活性については白鳳丸KH03-1航海において東部太平洋20°N-20°Sにおいて2003年6-8月に調査した。その結果、ハワイ東方海域のみで活性が検出された。溶存鉄およびリン酸塩の添加実験から、鉄添加に対して夜間は明瞭な正の活性応答が認められたが昼間には全くなかった。これに対してリン酸塩添加では、昼夜とも応答が認められたが夜間により高い活性であった。試水中の組成から、昼の応答は主にRichelia、夜間はSynechocystisのものと考えられ、両者には鉄やリン酸塩濃度依存性において明瞭な違いがあることが分かった。この結果は2004年2月にハワイ南方海域の海鷹丸航海でも確認された。 Chaecoceros compressusに細胞外共生するRicheliaの出現海域を昨年度に継続して調べた結果、共生体は外洋水と沿岸水の境界にのみ出現し、大型珪藻Rhizosolenia cleveiの細胞内共生者に由来する可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)