Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
Dアスパラギン酸のメラトニン合成抑制作用の解析:松果体細胞は動物細胞では最も高濃度のDアスパラギン酸を含んでいる。このDアミノ酸は新規Na^+-dependent glutamate transporterの逆反応により細胞外に分泌され、強力にメラトニン合成を抑制することを見いだした。これは動物細胞におけるDアスパラギン酸の生理作用として初めての例である。このトランスポーターがDアスパラギン酸の受容体として機能し、グルタミン酸の開口放出を引き起こすことを発見した。この成果は、韓国Pohang工科大学Koh博士との共同研究により電気生理学的にも確認した。現在論文として公表準備中である。Dアスパラギン酸を含有したPC12細胞の亜株(DAS-1)を単離することに成功した。この細胞小胞型アルパラギン酸輪送活性が検出できる。この結果は論文として発表した。さらに、この輸送活性の性質のうち、速度論・基質特異性・エネルギー要求性について解析した。Dアスパラギン酸を全く含まないPC12細胞亜株も分離した。この細胞では分泌顆粒中にも細胞質にもDアスパラギン酸は全く含まれていない。Differential hybridization methodによりDAS-1に選択的に発現している遺伝子を複数同定し、その一つが14回膜貫通型のトランスポーターと考えらる。現在、発現系によりトランスポータ活性の検出を試みている。以上、Dアスパラギン酸による化学伝達を支える受容体とトランスポータの同定という当初の目的をほぼ達成した。これは世界に誇る成果であると自負する。
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