遺伝子操作マウスからのin vivoパッチクランプ記録法の確立
Project/Area Number |
14658268
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 恵 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10140641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古江 秀昌 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20304884)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | in vovoパッチクランプ / 脊髄後角 / 痛み / 遺伝子操作 / ノックアウト / EPSC / IPSC / シナプス応答 / in vivoパッチクランプ / 感覚受容体 / ノックアウトマウス / 痛覚 / 膠様質 / カプサイシン受容体 |
Research Abstract |
末梢から伝えられた感覚情報は、脊髄後角において修飾・統合され、視床を介して大脳皮質第一次感覚野に運ばれ、知覚される。最近の痛み関連分子のクローニングに伴い、行動薬理学的な手法を用いて責任分子の機能的な役割が追求されてきたが、分子のレベルから行動学的な変化を推測・説明する事は困難であることは論を待たない。そこで、分子と行動学的変化との関連を、より高い確実性を持って説明するためには、in vivoでの単一細胞からの電気生理学的な解析が必須となる。本研究は、遺伝子操作を受けたマウス脊髄後角細胞におけるシナプス応答の解析を可能にする事を目的とする。麻酔下にマウスの気管切開を行い、動脈圧および体温のモニターを行う。腰部脊髄の椎弓切除を行った後、脊髄・脳固定装置にセットする。脊髄表面は加温したクレブス液によって持続的に灌流し、薬液も同じ経路から直接脊髄に投与する。膠様質表面のくも膜と軟膜に電極刺入用の窓を開ける。記録細胞が膠様質である同定には、記録細胞の脊髄表面からの深さと、記録電極からneurobiotinを注入し、その形態と部位から行う。膠様質細胞からパッチクランプ記録を行うと、ラットからの記録と同様に、微少興奮性シナプス応答(mEPSC)が記録できた。膜電位を0mVにすると、微少抑制性シナプス応答(mIPSC)が記録できた。記録と同側の後肢を鈎付きのピンセットで挟むと、高頻度、高振幅のEPSCが観察された。一方、触刺激によっては刺激のはじめと終わりにEPSCが観察されたが、応答は速い慣現象を示した。これらの応答はラット膠様質細胞で観察されたものと同様、グルタミン酸受容体拮抗薬で抑制された。今後、痛み関連分子をノックアウトしたマウスから記録を行い、どのようなシナプス応答の変化が惹起されているかを明らかにしていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(29 results)