Budget Amount *help |
¥30,550,000 (Direct Cost: ¥23,500,000、Indirect Cost: ¥7,050,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2002: ¥22,880,000 (Direct Cost: ¥17,600,000、Indirect Cost: ¥5,280,000)
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Research Abstract |
分析化学分野における最先端のマイクロTASの性能を飛躍的に向上させ,新たな機能を創製するためには,マイクロチャネル内の流体(液体,特に緩衝液)中に存在する分子及び分子クラスターを,選択的にコントロール可能とする技術が必要不可欠である.最終年度では,選択的コントロールを直接的に支配する壁面・緩衝液界面に形成されるイオン層,即ち,電気二重層の時空間構造の解明を目的として,ナノスケール流体計測技術の開発を行った.レーザ光をプリズムを用いて,マイクロチャネルを形成する石英ガラスに導入し,ガラス壁面内において全反射を繰り返すことにより,界面近傍に厚さ88ナノメートルのエバネッセント光を発生させる計測システムを確立した.緩衝液中には,プラスイオンを発生させる蛍光色素を混入し,イオン濃度に応じて界面近傍に形成される電気二重層厚さが変化することから,蛍光色素からの蛍光強度と電気二重層厚さとの関係式を密閉セルを用いて求めた.マイクロTASでは,薬品や緩衝液は電界によって駆動されることから,マイクロチャネル内では電気浸透流が支配的となる.本研究では,世界で初めて,電気浸透流が支配的な流れ場における,電気二重層厚さの時空間分布の計測を行い,イオンの挙動を明らかにした.本年度の研究成果により,緩衝液中のイオン挙動が実験的に明らかにされ,従来の電気二重層に関する理論の検証,または新たな理論構築が期待される.更に,マイクロTASにおける化学反応効率は,数桁向上することが期待され,次世代マイクロ熱流体デバイスの開発に直接寄与することが可能となる.
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