Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Research Abstract |
枯草菌等グラム陽性菌のアスパラギン合成は研究の例がなく、その機構と生理的意義の解明が待たれる。本研究課題は、枯草菌ゲノムに見出された3種のアスパラギン合成酵素様遺伝子asnB, asnH, asnOの発現調節と生理的意義の解明を目指す。本年度はasnHの発現調節機構の解析とasnOの機能解析をさらに推進した。 asnHを含むオペロンは、細胞内の栄養状態を感知するCodYと遷移期の(胞子形成開始期を含む)遺伝子発現を司るArbBによって転写調節される。このオペロンの転写産物の5'-UTRに存在する3回リピート配列(各約120bp)が、上記の調節に関与しているかどうか検討した。その結果、3回リピート配列はCodY, AbrBどちらの調節にも関係しておらず、むしろ転写産物を安定化させる機能を担うことが示唆されたので、この点の詳細を検討した。 昨年度、放射ラベルされたアスパラギン酸を基質として大腸菌や枯草菌の細胞抽出物を作用させ、生産されるアスパラギンを定量するアッセイ系を確立した。本年度はこのアッセイ系を利用して、asnOの担う胞子形成期のアスパラギン合成活性を評価した結果、asnOが実際にアスパラギン合成活性を担うことが強く示唆された。また、大腸菌のasnBをasnOに代えて発現させた場合にはアスパラギン合成の増強が見られたが、この発現によってasnO欠損による胞子形成不全は補れなかった。即ち、asnOの胞子形成への寄与はアスパラギン合成以外の何らかの機能によるものであると示唆された。詳細な顕微鏡観察の結果、asnO変異株の胞子は一旦脱水したのちに速やかに吸水し、そのことが耐熱性の消失につながる可能性が考えられた。そこで胞子の吸水を阻止することが知られるpdaA変異を追加導入したところ、asnO変異株の胞子の吸水が見られなくなった。しかし、この2重変異株の胞子はpdaAの単一変異のそれよりも耐熱性が低く、即ち胞子の吸水だけではasnO変異の影響を説明できないことがわかった。
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