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「福祉」の実際的活動の基底にある「ケア」の考え方に関する倫理学的考究

Research Project

Project/Area Number 14710015
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 倫理学
Research InstitutionChubu Gakuin University

Principal Investigator

新 茂之  中部学院大学, 人間福祉学部, 講師 (80343648)

Project Period (FY) 2002 – 2003
Project Status Completed (Fiscal Year 2003)
Budget Amount *help
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Keywordsケア / つながり / 他者へのむすびつき / 個人的世界 / 主観的な意味づけ / 固有の生活世界 / QOL / 主体性 / 主観性 / 他者との係わり合い / 関係の動態性 / 主観性の動態的形成 / 可能性 / 当為 / 実成性
Research Abstract

社会福祉はケアの実践である。ケアの観点は、普遍的原理が倫理的行為のいちばん重要な指針である、という従来の倫理学が暗黙のうちに前提してきた命題を、男性的な見方にかたよっていると批判し、女性の立場として、現実の具体的な人間関係のなかで倫理的な問題を解決するという態度を唱道した。
しかし、ケアの視点は、<男性>対<女性>という単純な対立図式にとどまらずに、道徳原理の抽象性ではなくて、ひととひととの具体的なむすびつきが人間存在をささえているのだという人間理解を内包している。すなわち、ジュディス・L・ハーマン(Judith Lewis Herman)の指摘にしたがえば、戦争の恐怖を克服するのは兵士同士の友愛なのである。
しかも、量より質に力点をかける今日の社会福祉は、科学的分析によって分節化された客観的世界だけにいきる人間ではなくて、主観的な意味づけがいろどろいきいきとした個人的世界にすまう人間を前提としている。
他者へのむすびつきが瓦解するという現象は、そうした世界の主観的有意味性の否定をはらんでいる。もちろん、他者へのむすびつきは、ケアしケアされる関係によって醸成される。ハーマンものべているように、ケアされたという経験からわたしたちは自分の属する世界へと目をむけられるようになる。つまり、現前する世界とわたしたちとをきりむすぶのは、だれかほかのひとにケアされたという経験なのである。
すると、わたしたちの主体性に力点をかけながらQOLの向上をめざす現代の社会福祉が前提する人間像は、つぎのように要言できよう。すなわち、わたしたちは、ケアしケアされる関係によって醸成されていく他者へのむすびつきに存在のささえをもとめながら、現前する世界に対して主観的な意味づけをおこなって固有の生活世界を形成し、そこにいきる価値をみいだそうとしているのだ、と。

Report

(2 results)
  • 2003 Annual Research Report
  • 2002 Annual Research Report

URL: 

Published: 2002-04-01   Modified: 2016-04-21  

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