聴覚情報の選択における注意機構に関する心理生理学的研究-抑制制御の観点から-
Project/Area Number |
14710056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
赤井 俊幸 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (60284139)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 注意 / 刺激選択 / 聴覚 / 事象関連脳電位(ERP) / 非注意刺激 / 抑制制御 / 復帰抑制 |
Research Abstract |
聴覚情報の選択における注意機構に関して,抑制制御の観点から検討することが本研究の目的である。平成16年度においては,事象関連脳電位(ERP)を指標として,選択的聴取における非注意刺激の処理過程について検討した。具体的には,非注意刺激に対して150-300ms潜時帯で出現する陽性波(Pdi)の振幅に及ぼす刺激間間隔(ISI)および先行刺激の効果について検討した。 純音を左右耳に,200-500ms(短ISI条件)あるいは600-1500ms(長ISI条件)のISIで無作為な順序で呈示した。被験者には,指定されたいずれかの耳に注意を向け,時折呈示される周波数の高い音を検出するよう教示した。非注意刺激に対するPdiは,選択的聴取時の非注意刺激に対するERPから視覚注意時のERPを減算することによって算出した。先行刺激に対するERPによる重畳の影響は,Adjar法を用いて除去した。 実験の結果,短ISI条件におけるPdiと長ISI条件におけるPdiの間に有意な振幅差は認められなかった。さらに,いずれの条件においても,先行刺激が注意刺激の場合と非注意刺激の場合の間で有意な振幅差は認められなかった。これらの結果から,少なくとも本研究で用いられたISIの範囲内においては,生理学的不応あるいは心理学的馴化はPdiの振幅に対して大きな影響を及ぼさないことが示唆された。したがって,本研究で用いられた実験パラメータの下では,Pdiが反映する心理学的機能を特定する作業が容易になると考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)