探索型臨床研究における医療倫理の確立と心理的介入方法の体系化の検討
Project/Area Number |
14710092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
大木 桃代 文教大学, 人間科学部, 助教授 (10306269)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 探索型臨床研究(トランスレーショナルリサーチ) / トランスレーショナルリサーチ・コーディネーター(TRC) / 医療倫理 / サイコロジスト(臨床心理士) / インフォームド・コンセント / 情報希求度 / トランスレーショナル・リサーチ・コーディネーター / 探索型臨床研究 / サイコロジスト / 臨床心理士 |
Research Abstract |
目的:平成15年度は.以下の3点を目的とした。 1.探索型臨床研究におけるサイコロジストの具体的役割と系統立った介入方法の検討 2.健康心理学の観点から探索型臨床研究における「倫理」概念の確立 3.探索型臨床研究における心理学の立場からの介入マニュアルの作成 対象:平成14年度〜15年度に東京大学医科学研究所附属病院において実施された6つの探索型臨床研究のいずれかに参加した被験者中20名であった。 結果と考察 1.まず被験者が探索型臨床研究に継続して参加する上で、重要であると考えられたパーソナリティ特性として、「知的水準・理解力」「冷静さ・疾病の受容」「セルフコントロール能力」「情報希求度」「ストレス耐性」「サポート状況」「価値観」等19項目を選択した。そして病状、医学的治療、投薬状況なども併せて詳細に検討した結果、平成15年度の被験者においても平成14年度とほぼ同様の精神状態の推移が認められた。 2.そこで各段階における問題点とそれに対する精神的サポートの内容を検討した。その結果、各段階ごとに以下のような点を中心に介入する必要性が示された。第1段階(参加前または参加直後):不安の共感・受容・個々の問題の解決援助、今後の適切なサポートのために被験者のパーソナリティや希望の把握等。第2段階(参加中):病状の変化に伴う精神状態の推移への対応、人生や自己選択の肯定的受容のための対応等。第3段階(終了・中止後):怒りの受容、抑うつの改善対応、今後の人生に向けての感情の整理の援助等。 3.インフォームド・コンセントを代表とするTRCの取り組みを通して、探索型臨床研究における倫理概念として、法的に最低限遵守すべきことだけでなく、被験者の自律性を尊重し、被験者を全人的存在としてとらえたより高次元の「倫理」を提唱した。 4.現在上記の結果を元に、健康心理学的観点からの介入マニュアルを作成中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)
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[Publications] 大木桃代, 小瀧一, 尾上裕子, 福田直子, 村山明美, 畠山高年, 宮崎菜穂子, 中村アキエ, 遊佐希, 三浦洋子, 佐田礼子, 松本和史: "トランスレーショナルリサーチ・コーディネーター業務の経過と各職種における専門性および問題点の明確化"人間科学研究(文教大学人間科学部). 第25号. 89-97 (2003)
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