製品ライフサイクルにおける組織的限界-ロングセラー商品への依存体質のマネジメント
Project/Area Number |
14730081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Commerce
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Research Institution | Hokkaido University (2004) Otaru University of Commerce (2002-2003) |
Principal Investigator |
坂川 裕司 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40301965)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 製品ライフサイクル / 組織間関係 / 流通チャネル / 組織内ストレス / 新製品開発 |
Research Abstract |
平成16年度の研究は前年度,平成15年に行った大手スポーツ・アパレル・メーカーに加えて,北海道内大手菓子メーカーについてのヒアリング調査を行った. この大手菓子メーカーは,今やロングセラーとなった代表的なブランド名を持つ菓子を全国的に販売している.その菓子の販売を通じて最大の利益率を確保することができる.そのため利益率の追求を経営目標とするならば,このブランド名を持つ菓子の販売に対してマーケティング努力を投じることが合理的である. しかしヒアリング調査を通じて,この大手菓子メーカーは自ら利益率の追求を抑制している.具体的にいえば,代表的なブランド名を持つ菓子の生産数量を自ら抑制して,事業売上高の一定シェアを超えないようにしている.この自己抑制は,次のような組織内ストレスが生じることを期待して行われている.それは利益率の高い製品の生産数量を自己抑制することで,製品開発部門,製造部門,マーケティング部門,営業部門は新製品開発の必要性を強く指向することである. 上記の二つの事例から次のことが明かとなった.ロングセラー商品を抱える企業が製品開発における自己硬直(新製品開発率が低下すること)を回避するためには,(1)内部組織内における新製品開発ストレスの創出が必要である.しかし組織内外で分業し,取引ネットワークに組み込まれている企業において,(2)全社的なストレス解消ベクトルのコントロール,(3)売り手または買い手としての取引関係のコントロールが不十分であれば,ロングセラー商品への集中的な経営資源投資という製品開発グレシャムが働き,企業の長期的な存続を脅かすことになる. 現在,上記二つのケースから発見した概念を用いて仮説を構築し,アンケート調査を行う準備をしている.この調査結果については,今後,公表する予定である.
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)