マリアヴァン解析による統計的推測と数理ファイナンスへの応用の研究
Project/Area Number |
14740078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内田 雅之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70280526)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 拡散過程 / 漸近展開 / マリアヴァン解析 / 情報量規準 / モデル選択 / 統計的漸近理論 / 数理ファイナンス |
Research Abstract |
連続的に観測されたデータ(以下,連続パスデータと呼ぶ)がエルゴード性をもつ拡散過程(以下,エルゴード的拡散過程と呼ぶ)に従っている時,得られた連続パスデータに基づいて,エルゴード的拡散過程モデル族の中から最適なモデルを選択する問題は応用上非常に重要である.そこで本研究では連続パスデータを使ってドリフトパラメータを推定し,その推定量をプラグインした予測分布を使って,予測の観点から最適なモデルを選択するための情報量規準の構成を行った.マリアヴァン解析に基づいた漸近分布理論を使うことにより赤池情報量規準(AIC)や竹内情報量規準(TIC)などの様々なタイプの情報量規準を構成することが可能となり,構成した情報量規準の漸近的性質を証明することができた.具体的には,マリアヴァン共分散の非退化性を仮定することにより,対象となる統計量の分布の漸近展開式の正当性が証明でき,これにより従来標準的な規準であった,期待平均対数尤度に対する期待値の意味での漸近不偏推定量である情報量規準(EUIC)に加えて,中央値不偏の意味での情報量規準(MUIC)の導出が可能となった.観測幅が短い高頻度データ(high frequency data)の典型的な例は株価や金利データであり,本研究の結果をファイナンスモデルのモデル選択問題へ実装することが今後の研究課題である.さらに,連続パスデータに基づいた本研究の結果が離散観測データにおけるエルゴード的拡散過程のモデル選択問題の基礎となることは明白であり,離散観測に基づいた拡散過程のモデル選択問題に貢献できるものと期待している.
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)