Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
一般次元半空間における圧縮性粘性流体の運動を記述した圧縮性Navier-Stokes方程式の定数平衡状態における安定性を考察するために,定数平衡状態からの摂動として方程式をとらえ,その解の漸近挙動の研究を行った.これまでは3次元半空間および外部領域における研究が行われていたが,本研究において半空間の場合,一般次元に拡張され,さらにいくつかの性質が導かれた. 圧縮性Navier-Stokes方程式の定数平衡状態の周りでの線形化方程式の解の表現公式の漸近展開の解析から,線形化方程式の解は,拡散項,拡散波動項,高減衰項に分類され,各々その高階微分までの減衰評価が得られた.拡散項の第一近似は,初期値の運動量の場にHelmholtz分解に関する射影作用素を作用させた関数を初期値に持つ非定常Stokes方程式の解の速度場である.全空間の場合は,熱方程式の解であり,ここに半空間と全空間の違いが現れる.拡散波動項は,拡散系方程式である熱方程式と分散系方程式の波動方程式の解の性質の相乗効果により,拡散項より減衰が早い.このことも定常位相の方法を用いることで半空間の場合に示すことができた,特に,空間3次元以上の場合,解の一階微分の評価は,全空間の場合と同じであることを示した. 非線形方程式に対しては,重み付きの解のエネルギー評価とドハメルの原理を用いて圧縮性Navier-Stokes方程式の解の漸近展開を調べ,解の第一近似は,非定常Stokes方程式の解の速度場であり,2次近似には,次元と可積分空間の指数に依存して,非定常Stokes方程式の解の圧力場,拡散波動項,および非線形項が現れることを明らかにした.特に,一階微分が作用した密度場ゼロの初期値に対する線形化方程式の解の減衰は,全空間の場合より遅くなる.従って方程式の保存則系の構造から,非線形相互作用は,全空間と半空間では異なるという結論が得られた.
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