二重ペロブスカイト型酸化物の電子状態の系統性の研究
Project/Area Number |
14740194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 智彦 東京理科大学, 理学部, 講師 (30311129)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 二重ペロブスカイト / 光電子分光 / 電子状態 / 金属絶縁体転移 / 電子相関 / ハーフメタル |
Research Abstract |
本研究の目的はSr_2FeMoO_6を含む二重ペロブスカイト型酸化物一般の電子状態の系統性を電子分光によって明らかにし、そこから典型的な二重ペロブスカイト型酸化物における高いフェリ磁性転移温度、大きなトンネル磁気抵抗効果、及びハーフメタルの起源、を明らかことにある。 本年度は、Fe系以外の試料については不純物相或いは高い絶縁性の影響で高精度の測定ができなかったため、金属絶縁体転移を示す(Sr_<1-y>Ca_y)_2FeReO_6に集中して研究した。実験は高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所・放射光研究施設の軟X線ビームラインBL-11Dにおいて行った。入射光エネルギーは60〜200eV程度で、測定温度は20K〜200K、エネルギー分解能は60-80meVである。その結果、フェルミ準位近傍には、Sr_2FeMoO_6で見られたハーフメタリックな二重ペロブスカイト系特有のダブルピーク構造を観測した。低温(20K)の測定では、二つのピークのうちのフェルミ準位に近い側の構造は、yを大きくするにつれて強度が抑えられてゆき、y〜0.5付近で金属から絶縁体に転移することを観測した。これはこれまでの電気伝導度の研究などと一致する。一方、各yで温度を200Kから20Kまで変化させ、yと温度による相図を作成し、これがこれまでの結果とも一致していることを見出した。これらからCa側の金属絶縁体転移の起源について、LDA+Uバンド計算(共同研究)の結果とも比較しながら探求し、通常は大きくないと考えられているReサイトの電子相関が、Reの高い価数、電子数が2であること、さらに二重ペロブスカイトの結晶構造から実際には極めて大きく、これが絶縁相形成に大きく寄与していることを見出した。金属絶縁体この結果について現在論文作成中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)