ペロブスカイト型強磁性酸化物におけるイオン配列秩序度と電磁気特性との相関
Project/Area Number |
14740204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
京免 徹 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (10323841)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 磁性 / 秩序無秩序相転移 / 強磁性 / 酸化物 / ペロブスカイト / 価数 / 秩序変数 / ゆらぎ |
Research Abstract |
固相反応法により作製したLaMn_<0.5>Co_<0.5>O_3多結晶試料を、1273-1673Kの温度範囲の一定温度(アニール温度)で20-40時間程度アニールした後、室温へ急冷した試料をいくつか作製し、その磁気的および熱的性質を測定した。いずれの試料も強磁性的な磁性を示したが、磁気的性質はアニール温度が1473Kを境に高温側と低温側で定性的な差を示した。特に強磁性の長距離秩序化を示す比熱のシャープな異常はアニール温度が1473Kより高い場合、観測されなかった。この結果から、MnとCoイオンの秩序無秩序転移が1400K付近で起こることを提案した。強磁性転移温度、飽和磁化等はアニール温度の低下とともに単調に増大したが、1473K以下になると急激に増大した。このことは、Mn/Coイオンの秩序配列が乱れると、反強磁性相互作用を持つイオン対ができるため当然予想された結果である。一方、保磁力やac磁化率の周波数依存性は、アニール温度が1473K付近で極大を示した。以上の結果から、飽和磁化や転移温度などの熱力学的な磁気的性質はMn/Coイオン配列の秩序変数に支配されるのに対し、保磁力などの周波数特性などの動的な磁気的性質は、イオン配列の秩序変数のゆらぎに支配されることを提案した。 LaCo_<0.5>Ni_<0.5>O_3、LaSrCo_<0.5>Ni_<0.5>O_4の多結晶試料を合成し、磁気的性質を測定した。その結果、前者は50K付近に強磁性的な異常を示すがシャープな比熱の異常を示さないこと、後者は20K付近にスピングラス様の異常を示すことを明らかにし、両物質ともCoとNiイオンが無秩序に配列していることを提案した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)