量子系におけるコヒーレンス消失とEPR相関の厳密な扱い
Project/Area Number |
14740230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
北島 佐知子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (70334571)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ディコヒーレンス / 緩和現象 / エントロピー / 量子相互情報量 / 検出装置 / エンタングルメント / エラー確率 / スピンコヒーレント状態 |
Research Abstract |
Boson-Detector (BD)模型に関するディコヒーレンス、エンタングルメントの崩壊過程、さらには、エントロピーダイナミクスを明らかにするために、数学的な定式化を行った。その定式化を基礎に、スピン自由度がエンタングルした状態、所謂EPR状態の崩壊過程のダイナミクスを厳密に解き、エントロピーの時間進展を具体的に求めた。本研究の意義は、ディコヒーレンス、ディスエンタングルメント及びそれに伴う不可逆性の問題を、可逆な方程式を出発点にして厳密に解き、どのような条件下で不可逆性が生じるかを具体的に解明したという点にある。 厳密に解ける模型を用いたEPR相関BD模型については検出装置系が調和振動子列で構成されているので、この模型の特徴を生かしてEPR相関の詳細な扱いを行った。2スピン系による縺れ合い状態を準備し、1つの粒子が飛ぶ経路に検出装置を設置して、その動的過程を明らかにした。 量子情報の量子デンスコーディングのダイナミクス また、以上の結果を踏まえ、量子デンスコーディングのダイナミクスを記述する動的模型を構成し、量子通信路行列、エラー確率、相互情報量を求めた。これはデンスコーディングのダイナミクスを論じ得る稀な方法論だと考えられる。さらに、量子論的マスター方程式を用いて、通信過程に及ぼす温度効果の詳細を求めた。これらの理論の展開には量子論的相互情報量を用いることが本質的である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)