スピン自由度を持つボース凝縮体の諸物性及び量子渦の研究
Project/Area Number |
14740251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
桑本 剛 学習院大学, 理学部, 助手 (10337909)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / 原子物理学 / 光双極子力 / レーザー冷却 / 超流動 / 物質波 / 量子渦 |
Research Abstract |
昨年度(H14年度)に我々は、2本のレーザービームを直角に交差させる光双極子力トラップ(OT)の開発を行い。^<87>Rb原子のボース・アインシュタィン凝縮体(BEC)をこのトラップに捕獲する事に成功した。本年度は、トラップ用レーザーの強度安定化を行い、トラップ寿命を昨年度に達成した2秒から4秒に伸ばした。 次に本研究のテーマである、スピン自由度を持つBECの磁気的性質や、多成分BECのダイナミクスを研究するために、^<87>Rb原子を様々な磁気副準位に遷移させる実験を行った。適当な磁場(20G)を、OT中に捕獲した^<87>Rb BECに印加し、遷移周波数付近の周波数を持ったラジオ波を照射する事で実現した。実験では、微小な外部磁場の変動があっても再現性よく遷移を生じさせるために、ラジオ波を共鳴周波数付近で掃引した。ラジオ波の強度、掃引範囲、掃引時間を適度に調整し、目的の磁気副準位に原子を遷移させる事に成功した。 我々の目的である、スピン自由度が2(原子の全角運動量F=2)の^<87>Rb BECの磁気的性質を研究するために、全原子がF=2,m_F=0(ここでm_Fは磁気量子数)にあるBECをOT中に用意し、様々な外部磁場環境下におけるスピン緩和過程を観測した。理論的研究によって、スピン2の^<87>Rb BECは反強磁性的な性質を持つ可能性が高いとされているが、スピン2のBECのみが持つ磁気的特性である、"cyclic state"とよばれるスピン一重項状態が実現される可能性も指摘されている。前述した実験を行うことでスピン2の^<87>Rb BECがどちらの性質を持つかが判別できる。実験及び解析の結果、スピン2の^<87>Rb BECは、反強磁性的な性質を持つ可能性が高い事が判った。この成果は現在、論文として学術雑誌に投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)