Project/Area Number |
14740290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 教博 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80302248)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | シュードタキライト / クレーター / 古地球磁場強度 / 初期地球磁場 / 原始太陽系磁場 / 原生代 / ジオダイナモ変遷 / 地球内核成長 |
Research Abstract |
18億5千年前に形成されたカナダ・オンタリオ州のサドバリー隕石クレーターの野外調査を行い、クレーター周辺に分布する隕石衝突起源のシュードタキライトの古地磁気強度推定実験を通して、巨大隕石衝突時に衝撃蒸発雲中でプラズマ磁場が発生していたかどうかを調べることが本研究の目的である。シュードタキライトとは、地震時の高速摩擦運動や隕石衝突時の衝撃圧によって岩石が熔融・冷却して形成された黒色の岩脈状の岩石である。したがって、その形成時に岩石中の強磁性鉱物は、岩石の摩擦熔融時にキュリー点を越えている可能性があるため、古地磁気媒体としてとても有望であることが予想できる。これまでのシュードタキライトを用いた古地磁気研究は、形成時の地球磁場の方向のみに限定されており、当時の地球磁場強度を推定する研究はおこなわれていなかった。そこで、上記の目的を達成する目的でテリエ法に基づく、古地球磁場推定実験をおこなった結果、当時の地球磁場強度が現在の地球磁場強度よりも半分以下という隕石衝突に伴うプラズマ磁場の存在に否定的な結果を得た。しかしながら、この結果は初期地球の地球ダイナモ運動が活発であったのか不活発であったのかという問題に、新たな視点を投げかけることができた。この結果は、Nakamura & Iyeda(in press)と中村・植原(2005)において報告済みである。また、橄欖岩の磁場中瞬間加熱実験をおこない、始原的隕石中の同様なコンドリュールから還元状態の原始太陽系磁場を推定できる可能性を示した(Uehara and Nakamura,2004)。さらに、花崗岩などの地殻岩石の帯磁率異方性・非履歴性残留磁化異方性を調べることで深成岩の併入様式や地殻内磁気異方性の原因を解明する研究もおこなった(Usui et al.,2004;Nakamura and Borradaile,2004)。
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