Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成16年度は、これまで行ってきた三次元錯体中での化学反応が骨格を形成するPdの触媒作用に起因するか否かを調べる目的で、遷移金属を骨格内に含まない水溶性カプセルめ構築を行った。カプセル分子の構築方法としては、カチオン性のアミン塩酸塩とアニオン性のホスホン酸塩との反応を用いた。カプセルの形成は、1H-NMRスペクトル、DOSY-NMR、ESI-Massにより確認した。水溶性カプセルの内部空間で化学反応を行うのが最終目的であるので、内部空間を大きくするために、カリックスアレーンを基本骨格に持つホスホン酸を合成し、より大きな内部空間を持つ水溶性三次元カプセルの構築も行った。このカプセルの構造決定についても同様にDOSY-NMR、ESI-Massにより行った。このより大きなカプセル分子が形成される過程を調べるために、滴定実験を行ったところ、カプセル形成後にはホスホン酸のアルキル鎖の高磁場シフトが観測されるため、ホスホン酸上のアルキル鎖が内部空間に取り込まれた状態でカプセルが形成されている事を明らかにした。次にこの得られた水溶性カプセルへのゲスト分子の包接を検討したところ、ゲスト分子がカプセル内に包接され、カプセル内にあったホスホン酸のアルキル鎖が、ゲスト分子と置き変わり、アルキル鎖が低磁場シフトするという興味ある知見を得た。本研究成果は日本化学会第85回春季年会で発表予定である。
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