Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
コバルトセニウム骨格を有するアミノ酸[(NH_2C_5H_4)Co(C_5H_4COOH)](PF_6)の単独重合を試みたところアミドが互いに結合した環状2量体が生成することが明らかとなった。ESI-MSの結果から、わずかに3量体の生成を確認したに止まり高分子化は困難であることが明らかとなった。コバルトセニウム型アミノ酸誘導体の溶液中、固体中での分子内、分子間水素結合形成、アニオンとの相互作用についても昨年に引き続きさらに検討した。類似化合物である[Co(C_5H_4NHCOCH_3)_2]Cl-H_2Oの結晶構造では2つのアミド平面は本来安定であるはずの逆平行ではなく、2つのNHが同じ方向を向き分子内でNH…Cl…H_2O…HN水素結合を形成していることが明らかとなった。 一方、金属を配位できるビピリジン骨格を有する非天然型アミノ酸や、その類似体パラアミノ安息香酸と天然のL-アミノ酸を逐次交互共重合し2次構造の形成について検討した。パラアミノ安息香酸とL-ロイシンを縮合反応させ、Boc-Leu-NHC_6H_4COOEt (Boc=t-butoxycarbonyl)を得た。これを通常のペプチド合成の手法により脱保護と逐次縮合重合しBoc-(Leu-NHC_6H_4CO)_n-OEt (n=1,2,4,6)を得た。TFE(2,2,2-trifluoroethanol)とDMSO中で可視紫外吸収スペクトルを測定したところ、270-280nm付近にπ-π^*またはCT遷移と考えられる強い吸収が観測され、鎖長の伸長に伴いわずかに長波長側にシフトして観測された。強度はモノマーユニット当たりに換算するとほぼ同一であった。同様の条件でCDスペクトルを測定すると、この領域に強いコットン効果が観測され、モノマーユニット当たりの強度はnが1,2,4と増加するに伴い大きくなった。n=6ではn=4と同等または小さくなった。以上の結果は光学活性なL-ロイシンのα-炭素の不斉が分子全体の2次構造に不斉をもたらしたことを意味する。また、n=4で極大となったことから、4量体を基本単位とするようなヘリックス構造を形成していることを示している。
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