完全水中でのモリブデン補酵素の機能モデル化反応と環境問題への展開
Project/Area Number |
14740367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉本 秀樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00315970)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | モリブデン / タングステン / 水配位子 / 酸化還元反応 / 酸化反応 / オキソ錯体 / ジオキソ錯体 / 多電子移動 / 酸素原子移動 / 電子移動 / 亜硫酸酸化酵素 / 錯体化学 |
Research Abstract |
研究目的:水溶性のモリブデンおよびタングステンのアクア錯体を前駆体として、配位水の脱プロトン化を中心金属の酸化還元反応と組み合わせることにより、オキソ錯体などの酸化反応活性種を生成させ、これらの金属を含む補酵素が代謝する反応を水中で進行させることをおこなう。 研究方法:主に、電気化学的な手法を用いて、酸性、塩基性条件下でサイクリックボルタモグラムを測定し、酸化還元電位、電流量などに基づき生成する化学種を検討する。活性種の生成条件に設定し、定電位電解をおこない、基質を加えて、吸収スペクトル、IR、マススペクトル、ESR変化などを測定する。 研究成果:塩基性条件下で、サイクリックボルタモグラムを測定すると、タングステン錯体に基づく可逆的な二段階の一電子酸化反応が、不可逆的な一段階二電子酸化反応へと変化し、金属錯体の構造が変化していることが示唆された。タングステン錯体が酸化される電位において定電位電解をおこない、各種スペクトルを測定した結果、4価の錯体から変換された化学種は新たに金属に酸素原子が結合した6価オキソ錯体であることが明らかとなった。結晶構造解析の結果、中心金属に酸素が二つ結合したジオキソ錯体であることが判明し、金属酵素の活性中心構造と類似する。このオキソ錯体はアルデヒドをゆっくりではあるがカルボン酸へと酸化し、酵素反応の機能モデルとなることが判明した。また、金属錯体の酸化力の程度は有機配位子に依存し、電子供与能が小さいほど強くなることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)