円偏光依存ラマン散乱分光法による電界配向したポリ乳酸における光機能性の研究
Project/Area Number |
14740380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
杉田 篤史 静岡大学, 工学部, 助手 (20334956)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ポリ乳酸 / 電界配向効果 / 結晶成長 / 電気的機能性 / 一次元イジングモデル / 粘性効果 / ラマン散乱分光 / 光機能性 / 偏光依存性 / 時間分解分光 |
Research Abstract |
天然由来高分子であるポリ乳酸は、微生物による生分解性を示す点、地球上の総二酸化炭素を増やさないカーボンニュートラルの条件を満たす点から近年環境適合材料として注目されている。ポリ乳酸は電気的機能性高分子という観点からも興味深く、一軸方向の螺旋をとる高分子鎖は主鎖方向に大きなマクロモーメントを形成することが特徴である。14年度の研究は溶融状態にてこのマクロモーメントと外部電場とが相互作用すると、高分子鎖は延伸するという現象を見出した。更に電界中にて高分子鎖が延伸する様子を実時間的に観測することにも成功した。15年度は引き続き溶融状態における高分子鎖の電界配向効果を明らかにする目的で様々な重合度の高分子鎖における動力学過程について調査した。その結果、重合度の高い高分子鎖ほど低電界で配向することが確認された。その理由として、重合度の高い物質では、それだけ主鎖方向のモーメントが大きいこと、また粘性効果により高分子鎖の熱揺らぎの影響が抑えられることが考えられる。実験結果は一次元イジングモルを利用した簡単な理論解析によって定性的に説明することに成功した。電界中にて一軸延伸した高分子鎖を結晶成長させたところ、電場方向に高い配向性を示す結晶の成長する様子が確認された。通常ポリ乳酸は過冷却状態にて結晶成長させると球晶を成長させることが知られていることから、外部電場は結晶性を制御する上で有効な手段であると結論づけることができる。電界下で結晶成長させた試料についてX線構造解析、赤外吸収分光によって配向性について評価したところ、高分子鎖は電界方向に延伸して積層していることが確かめられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)