原子レベルで規制された電極触媒反応場におけるステップ構造の機能の解明
Project/Area Number |
14740392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
田口 哲 北教大, 教育学部, 助教授 (60281862)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 電極触媒 / 硝酸イオン / 還元 / 環境汚染物質 / 白金 / 単結晶電極 / 構造規制 / 金 |
Research Abstract |
今年度は,Zn原子層がアンダーポテンシャル析出(upd)したPt(111)及びAu(111)電極上における硝酸イオン(NO_3^-)の挙動を調査した。Pt(111)については,1mMのZn^<2+>を含む0.1M KNO_3水溶液中(pH=5.0)で硝酸イオンの共吸着を伴いZnがupdする(ピーク電位0.1V vs. SCE)ことをサイクリックボルタンメトリー(電位走査速度100mV/s〜5mV/s)により確認した。このピーク電位・ピーク電気量はこれまで我々が報告してきた0.1MKH_2PO_4中の結果とほぼ一致していた。しかしながら,このpHではNO_3^-の還元は確認されず,この表面における触媒作用は確認できなかった。そこで,0.1M KNO_3に10^<-4>Mの硝酸(HNO_3)を加えpHを下げて(pH=3.67)上記と同様の測定を行ったところ,-0.15V vs. SCE(0.3V vs. RHE)から還元電流が流れ始め,-0.35V vs. SCE(0.1V vs. RHE)に大きなピークが観測された。溶液中にZn^<2+>が存在しない場合並びに硝酸イオンが存在しない場合には,この電位領域においてこのピークは観測されなかった。以上より,この還元電流は,Pt(111)電極表面に単原子層以下で析出した亜鉛上で硝酸イオンが還元されたことによると結論した。さらにpHを2.68まで下げて同様の測定したところ,この還元電流値はpH=3.67の場合に比べて更に増加した。この電流値の増加は,硝酸イオンの還元には,例えばNO_3^-+3H^++2e^-→HNO_2+H_2Oのように水素イオンが必要であることから説明できる。ZnがupdしたAu(111)電極については,還元ピーク電位は-0.6V vs. SCEとなり上記の場合に比べて負ではあったが,Pt(111)とは異なりpH=5.0の0.1M KNO_3水溶液でも硝酸イオンの還元電流が観測された。以上のように,Znが単原子層以下で電析した貴金属単結晶表面には,環境汚染物質である硝酸イオンの還元に対し触媒活性があることを初めて見出した。今後は,表面上の原子配列の違いによる触媒活性の違い等を調査する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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