Project/Area Number |
14740421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高須 夫悟 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (70263423)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 群集動態 / 寄生系 / 競争系 / 共進化 / 量的形質 / 決定論的モデル / 確率論的モデル / 個体ベースモデル / 連続ニッチ / 寄生・競争 / 数理モデル / Adaptive dynamics |
Research Abstract |
平成16年度は主に以下の2点に注目した研究を行った。 1)寄生系におけるパラサイトのハンドリングタイムの進化モデル解析 ホスト・パラサイトの個体群動態において、パラサイトが寄生を実行するに要する時間(ハンドリングタイム)が小さくなると安定平衡点が不安定化し周期解・カオスが出現する事は既に古典モデルの解析に明らかになっている。本研究ではパラサイト集団中にハンドリングタイムに関する集団内変異が存在すると仮定した場合、ハンドリングタイムの進化が個体群動態の安定性に及ぼす影響について解析した。前年度に行った、パラサイトの探索効率の進化モデルと同様、ハンドリングタイムは小さくなる方向へ進化するが、パラサイトのハンドリングタイムに関する集団内変異の存在は、個体群動態をより長期にわたって安定することを見いだした。また、探索効率やハンドリングタイムといった個体群動態に関係するパラメータの進化と個体群動態の安定性に関する一般的な研究を行った。 2)解析的モデルと個体ベースシミュレーションモデルの比較 群集動態や個体群動態の理論研究で用いられる数理モデルの多くは解析的な取り扱いが易い決定論的解析的モデル(差分式、微分方程式等)を用いて記述される。しかし、現実の系では確率論的な効果が無視できず決定論的モデルで起こりうる微小密度下での振る舞いは、必ずしも現実の系を反映していないと思われる。本研究では、決定論的解析モデルで設定される様々な仮定を確率論的ルールに置き換えた確率論的個体ベースモデルを構築し、両者の振る舞いを比べる事で、決定論的解析モデルでは捉えられない現象がある事を見いだした。具体的には、適応度の谷間をすり抜けて形質の進化が起こりうる等である。同様の解析を寄生系の個体群動態モデル及び群集動態モデルに対して行い、確率的な効果の重要性を再認識した。現在はこれを発展させたモデル解析を進めている。
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