形質転換体を用いた光化学系II反応中心"P680"の高電位形成の解析
Project/Area Number |
14740444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鞆 達也 日本大学, 文理学部, 助手 (60300886)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 光合成 / 光化学系 / 反応中心 |
Research Abstract |
光化学系IIの最大の特徴は水を分解し酸素を発生させることにある。そのためには、反応中心P680の酸化還元電位が水より高いことが必須となる。また、この光化学系IIは非常に代謝回転が高いことが知られている。これは、光化学系IIに過剰な光が照射されたとき、光化学系IIを速やかに分解し、合成することが光に対する耐性を高めることより有利に働くことに起因すると思われる。この分解はどういったメカニズムで生じるか議論の的であった。我々はこの分解の経路が2つの異なったpathwayで生じることを見いだし報告した。光化学系IIの機能を解明するには、分子生物学的手法も大きなウエイトを占める。しかし、高等植物において光化学系の遺伝子改変は困難であるため、我々は形質転換可能な緑藻であるクラミドモナスから光化学系IIの簡便な単離精製法を開発した。光化学系IIの集光性タンパク質であるCP47タンパク質にヒスチジンタグを導入することにより、簡易な方法で光化学系IIの精製が可能となった。また、機能解析の基本情報となるものはタンパク質の立体構造である。この構造を原子レベルで解析可能になれば、各補欠分子の詳細な相互作用があきらかになる。しかし、膜タンパク質であるが故に結晶化には確立した方法が存在せず、無数の条件を振って試行錯誤せねばならないのが結晶化の現状である。本報告では、良好な結晶作成に必須な溶解度曲線を二光束干渉計を用いて簡便に測定する方法を開発した。この方法を利用して、光化学系IIの結晶作成を行う予定である。また、昨年に引き続き反応中心近傍のアミノ酸を改変した異性株からの光化学系II反応中心の物理化学的測定を行った。さらに、反応中心の色素を既存のクロロフィルa以外の色素に置換する研究も併せて行っている。クロロフィル置換により、あらたな分光極大が形成され、P680近傍の機能が解明されるものと期待する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)