Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
優れたき裂治癒能力を有する窒化ケイ素/SiC複合材およびアルミナ/SiC複合材を供試材として選択した.100μmの表面き裂を導入した後,試験片に一定応力または繰返し応力を負荷した状態で,800℃〜1200℃の大気中において所定の時間熱処理を行った.熱処理後の試験片の室温曲げ強度を測定し,応力下におけるき裂治癒の可否を調査した.さらに,それぞれのき裂治癒温度においても,三点曲げ強度,静疲労強度特性および繰返し曲げ疲労強度特性を調査した.その結果,以下の点が明らかとなった. 1.熱処理後の試験片の曲げ強度は平滑材の曲げ強度と同等の値まで強度が回復していた.しかも,ほとんどの試験片の破断起点はき裂治癒部以外である.したがって,極めて厳しい応力下においても強度を半減させるほどの大きなき裂を完全に自己治癒することができる. 2.窒化ケイ素/SiCのき裂治癒可能な限界の一定および繰返し応力は,ともに300MPaである.この値は,予き裂材の曲げ強度(400MPa)に対しで75%であり,極めて高い値である. 3.アルミナ/SiCのき裂治癒可能な限界の一定および繰返し応力は,それぞれ250MPaおよび300MPaである.これらの値は,予き裂材の曲げ強度(450MPa)に対して56および67%であり,極めて高い値である. 4.応力下でき裂治癒を行った試験片の治癒温度における静疲労限度および繰返し疲労限度は治癒材の曲げ強度の70〜80%程度の値であり,き裂治癒部の疲労強度は十分に高いことが明らかとなった.疲労限度が極めて高い理由は,疲労試験中においてもき裂治癒現象が生じたことによるものと考えられる. 5.上記の結論より,本研究で用いた窒化ケイ素/SiCおよびアルミナ/SiCは,温度,応力および環境の条件によっては,使用中に生じたき裂をその場で治癒する能力を有していると言える.
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