Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,状況についての前提条件を列挙し尽くせるようなよく整備された実験室環境から,複雑かつ不確定な状況に囲まれた現実の社会的環境へと社会性ロボットが活動現場を移した際,人間や他ロボットとの相互作用を通じて他個体と対象・事象の共有を評価することで,明示的に得られない社会的な強化信号を獲得する共同注意に注目するものである. 本研究ではまず,ロボット同士の模倣活動に関する計算機シミュレーションにより,機械学習の評価関数を自己更新可能な学習メカニズムを実装した.これによりサル真似でない,行動意図の再現までをも含む広義の模倣を実現するメカニズムにとって,模倣相手が行動を評価するポイントを類型化させる,すなわち学習の手がかりを共有することの重要性が示唆された.これは視覚的共同注意にアナロジを得た評価の共同注意とも呼べる事象である.実際に人間-ロボット-モノ(たとえば積み木のような遊具)という三項関係において,ロボットの評価関数がモノ志向から社会的相互作用志向までパラメータに差を持たせた場合に,相互作用する人間の反応も異なる振る舞いが示されることが分かった.さらに,この学習の手がかりを共同するプロセスというのは,師匠-弟子関係のような徒弟制度においても重要な働きを示すことが分かっており,社会性ロボットが子供の発達学習の場面を支援する場合には,社会性ロボットと子供の共同注意を実現するメカニズムだけでなく,具体的な社会的教示行動との関連を追及する新たな研究課題が必要であると考えられる.
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