Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
電磁波の人体に与える影響が懸念されている.電磁波防護に関する安全基準では,マイクロ波帯の電磁波に対し,「単位質量当たりに吸収される電力量(SAR)」を指標として用いている.そのため,計算機および計算手法の発達に伴い,電磁波を浴びた場合のSARを評価した研究が多数なされている。しかしながら,マイクロ波の人体へ与える支配的な影響は,熱作用であることが実験的に示されている.そのため,局所的なSARと温度上昇の相関を調べることは重要である.また,従来の研究では正面からの電磁波曝露を想定したものがほとんどであったため,何が最悪の電磁波曝露条件かという疑問を解消するには至っていない.本研究では,熱に対して耐性が弱いことで知られている眼球に焦点を当て,電磁波の(1)遠方界・近傍界曝露の相違,(2)斜入射による人体への電力吸収のメカニズムを調査した. その結果,遠方界曝露では電力吸収は眼球内部で生じるが,近傍界曝露では眼球表面付近で生じることを明らかにした.しかしながら,眼球平均の吸収電力と眼球内最大温度上昇の比はほぼ一致しており,安全基準の指標として吸収電力を用いることは有効であることを明らかにした.また,ホットスポット周波数帯(眼球に対しては,1-3GHz程度)では,眼球内に吸収される電力は,斜入射の方が大きいことを明らかにした.但し,この場合も眼球に吸収される平均電力と眼球内最大温度上昇の比は,ほぼ一定であることを明らかにした.
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