伝送線路で結合したカオス発生回路において発生する現象とその応用に関する研究
Project/Area Number |
14750321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
河田 淳治 徳島文理大学, 工学部, 講師 (00248329)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | カオス発生回路 / カオス同期 / 伝送線路 / 遅延 / カオス制御 / マクロモデル / 特性インピーダンス / ディレイライン |
Research Abstract |
本年度は、まず始めに伝送線路で相互結合されたカオスシステムの工学的応用として通信への応用について考察した。カオス発生回路1の初期値を情報信号に応じて切り換えることでアトラクタの状態を変化させ、もう一方のカオス発生回路2でそれを検出することを試みたが、うまく復調できることもあるが、逆にカオス発生回路2にカオス発生回路1が同期してしまうという現象が発生してしまった。電圧バッファを使用して結合を一方向にすることによりこれを回避することは可能であるが、相互同期現象の応用とはいえなくなってしまうため、通信に応用するためには別の手段を考える必要がある。 次に、不安定なカオスを周期的な状態に制御するというカオス制御方式における遅延の影響について調査した。離散力学系のエノン写像を、代表的なカオス制御方式であるOGY法を用いて制御する際に、制御信号の入力に遅延を生じさせ、その影響を数値実験により調べた。その結果、遅延が非常に小さい場合でさえ、ごく一部の例外を除いて目標周期解に制御することはできないということが分かった。したがってOGY法を用いた離散力学系の制御システムを実装する場合には、制御対象となる離散力学システムの状態の変化に比べて、制御回路が十分高速に動作し遅延の影響が無視できるように設計・実装を行う必要があると思われる。他の制御方式・連続力学系に対しては、まだ調査が行えておらず、今後の課題である。 さらに、多導体伝送線路のアドミタンス行列の極と留数を求めて部分分数近似しマクロモデル(漸近的等価回路)を生成するというアルゴリズムを用いて簡単な例題回路のシミュレーションを行い、その有効性について確認したが、今後このアルゴリズムをニューロンが伝送線路で相互に接続されたカオスニューラルネットワークに適用し、遅延に対する影響を調査する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)