Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
広島湾の中でも特に浮泥が厚く存在している呉湾において,一年間の浮泥の堆積状態(厚さ),湿潤密度およびベーンせん断強度を測定し,季節的な浮泥の物理性状の変化を明らかにした.また,実際に海底で生じている海底近傍の流速および濁度を連続測定(平成15年8月〜10月)した.その結果,呉湾において成層状態が大きく変化する夏期から秋期における海底近傍の流速は小さく,緩い浮泥が堆積しやすいことや,数秒周期以下の擾乱が浮泥の巻き上がりと関係が深いことが明らかにされた. また,現地浮泥を用いて波や流れによる外力条件下での底泥巻上げ実験を行った.現地浮泥については,海底設置型の沈降物サンプラーで採取された浮泥と乱さずに採取されたコアサンプラーで柱状採取された浮泥の性状の比較を行っている.また,水理実験に際しては,乱さずに採取されたコアサンプルと水路に敷き詰められた底泥のベーンせん断強度の比較を行っている.その結果,波の場において巻き上がり量が急増する底面せん断力が明らかとなり,現地の底層流速と比較すると,平常時には波による巻き上がりが支配的であると推定された. さらに,広島湾における季節的な流動外力の変化を検討するため,地形が複雑で開口部を複数有する広島湾の境界条件として重要な3つの瀬戸(大野瀬戸,奈沙美瀬戸,音戸瀬戸)において,通年の潮位観測を行った.この結果,夏期に呉湾の潮位上昇が顕著であり,海水が停滞していることが推定された.瀬戸内海における通年の流れの数値シミュレーションを行った結果,複数の湾口部における季節的な潮位差の変化によって,広島湾北部海域〜呉湾の流出・流入傾向が季節的に変化することが明らかとなった.
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