Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
社会基盤整備を中心とした公共政策評価に関する動学化,不確実性,不均衡などの方面での研究は,理論的にも数多くの課題がある上に,実用的なものとなるにはかなりのギャップがあるといわざるを得ない.そこで,本研究では,会計学の手法を用いて,社会基盤事業をその便益や費用に基づいて評価する際,必ずしも均衡状態を前提としない評価方法の検討を試みた. ここでは,研究代表者らがそれまでの研究で構築している会計手法による社会基盤事業の財務的および経済的な状況の表現ツールを用い,ある事業時点での資産の世代間負担比率状況や,将来の資本価値の状況を把握できるように,建設期間や換算係数等を変化させてシミュレーションを行い,その評価を行った.この結果,建設期間の増加のような事業スペックの変化によって将来の世代のための資産価値が減少していくこと,一般財源比率や負債の返済期間などの財務的な変更によるB/Cの変化とそれに伴う正味資本の変化を定量的に表現するとともに,それらの複合的な要因による結果も定量的に表現した. これらの分析に市場均衡の考え方は無いので,比較のベースを設定していないことから,厳密な比較はできない.しかし,現在,当面社会基盤事業に関する問題は,現在における社会環境変化や事業スペックの変更や財務的な変更が,将来においてどのような影響をもたらすのかを明確にすることであり,将来の資産状況や社会厚生を著しく悪化させる変更は,事前に知る必要がある.この点に関しては,いくつかの前提は置くものの,簡便な表現方法としては十分なものであることを確認した.
|