Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Research Abstract |
誘電体材料はマイクロ波領域での応用が年々拡大しており,高周波広帯域での正確な誘電特性評価法の確立が求められている。インピーダンスアナライザーを用いた誘電特性測定では,周波数を連続して測定できるという利点があるが,高い誘電率を持つ誘電体の測定の場合は,数百MHzで共振が生じることが問題となっている。このため本研究では,チタン酸バリウム系材料のマイクロ波領域までの複素誘電率の連続スペクトル(誘電スペクトル)の測定を実施し,数百MHzでの共振を取り除き,測定周波数帯での正確な誘電率を得ることを目的とした。 研究計画に基づき,チタン酸バリウム系試料を固相反応法により作製し,作製したソーヤタワー回路とオシロスコープを用いて強誘電性を確認し,RF-インピーダンスアナライザーと今回構築した測定制御システムを用いて,各種誘電特性の測定を行った。測定により得られたチタン酸バリウム系試料の誘電特性は,400MHz〜700MHzに共振現象が見られた。この解決を図るため,パーソナルコンピュータを用いて,試料の電磁界シミュレーションを行ったところ,共振の原因が,試料を挿入したことによる,初期校正位置の変化であることが判明した。よって,電気長を補正するごとにより,共振が取り除かれることを見出し,1.5GHz以下での正確な誘電スペクトルの測定を可能とした。 本研究の成果は、第20回強誘電体応用会議に採択され、発表した内容は、Japanese Journal of Applied Physicsでアクセプトされ、公表された。また、同様に、第23回電子材料研究討論会にも採択され、Ceramic Society of Japan, Seriesにアクセプトされ、公表される予定である。 今回得られた研究成果を継続発展させるために、より高周波で単針を用いた誘電率測定装置の着想を行い、測定装置を構築した。現在、試料の誘電率を反映した測定スペクトルが取れつつある。
|