使用湿度環境を考慮した機械的性質評価による高分子材料の信頼性の向上
Project/Area Number |
14750573
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | ポリメタクリル酸メチル(PMMA) / ヤング率 / 湿度 / 引張特性 / ポリカーボネート(PC) / 薄膜 / ポリアセタール(POM) / ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) |
Research Abstract |
本研究では、様々な湿度に保管した高分子材料を用いて機械的性質の測定試験を行なうことで、大気中の水分による吸湿が高分子材料の引張強度やヤング率に及ぼす影響を明らかにすることを目的にしている。 申請者は平成15年度に、1.薄膜化した場合における短時間の湿度変化が高分子の機械的性質に及ぼす影響を調べる目的で、PMMA薄膜試験片に加工して、短期間(3目以上)の湿度調整を行い含有水分量を各調整湿度で平衡状態にした後、調整湿度と異なる湿度で引張り試験を行なった。低湿度(11%RH)で含有水分量が平衡状態の試験片を高湿度(98%RH)で数種の保持時間(10分以下、1日以上)保持した後引張破断試験したところ、10分以下では低湿度で含有水分量を平衡状態にしたの引張変形挙動と類似した延性的な変形挙動を示したのに対し、1日以上では高湿度で含有水分量を平衡状態にした試験片と同様の脆性的な変形挙動を示した。また、水滴が付着すると調整湿度にかかわらず脆性的な引張変形挙動を示すことが明らかとなった。以上より、薄膜化することによって高分子材料の機械的性質は短時間の湿度変化でも引張変形挙動に影響を及ぼすことが明らかとなった。 2.長期間湿度調整(3ヶ月以上)した2.5mm厚のPCおよびPOMのヤング率測定を行った。その結果、含有水分量が少ないPCでは調整湿度の増加に対するヤング率の低下はわずかであったが、含有水分量が比較的大きいPOMは湿度の増加とともにヤング率は明白に低下していた。具体的には調整湿度11%の試験片のヤング率より調整湿度98%の試験片のヤング率のほうが1割近く減少した。 以上より、高分子材料の機械的性質は調整湿度あるいは湿度変化によって変化する材料中の含有水分量の影響で、変化していることを明らかにした。以上より湿度の変化によって変化する機械的性質を考慮した設計をすることが望ましいと考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)