多環芳香族化合物分解菌による細胞増殖抑制物質の生産とその応用
Project/Area Number |
14760041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽部 浩 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助手 (20313075)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | 多環芳香族炭化水素 / Phenanthrene / Fluorene / Coumarin / Sphingomonas sp. / Terrabacter sp. / Benzocoumarin / Sphingobium sp. / Salicylate 1-hydroxylase |
Research Abstract |
クマリン(coumarin)類は抗菌性や酵素阻害活性など様々な生物活性を持つことが報告されており、クマリン類のなかにはガン細胞の増殖抑制を行うものも確認されている。多環芳香族炭化水素(PAHs)のモデル化合物の1つであるphenanthrene(PHN)を資化する細菌Sphingobium sp. P2株は、PHNの分解過程において2種類のベンゾクマリンと1種類のクマリンを生産する[Pinyakong et al. (2000) FEMS Microbiol. Lett., 191,115-121]。これまでの知見では、水酸化されたクマリン類に特に高いガン細胞に対する増殖抑制活性があるため、これら3種のクマリン類に水酸化することを試みた。昨年度、P2株のPHN代謝系酵素遺伝子を解析している過程で発見された3種の酸化酵素について機能解析を行ったが、二環以上の芳香族化合物に対する活性はなく、全てsalicylate 1-hydroxylaseであることが示された[Pinyakong et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun., 301,350-357]。そこで本年度は、二環以上の芳香族化合物に二水酸化が可能な酵素遺伝子を、やはりPAHsのモデル化合物であるacenaphtheneを資化する細菌Sphingomonas sp. A4株から単離することとした。既にP2株で単離されたferredoxin及びreductase componentをコードする遺伝子を導入した大腸菌を用い、A4株の全DNAのショットガンクローニングを行ったところ、naphthalene、PHNなど二環以上のPAHsに酸化反応を行う新規dioxygenaseをコードする遺伝子の単離に成功した。現在、本酸化酵素のクマリン類に対する水酸化活性を調べている。 同様にPAHsのモデル化合物であるfluorene(FN)を資化する細菌Terrabacter sp. DBF63株については、昨年度の研究により、FNの分解過程において8-hydroxy-3, 4-benzocoumarin(HBC)を生産することが示されていた。本年度は、HBC生産に関与すると推測された2種類のdehydrogenase様酵素(FlnB, FlnC)について機能解析を行い、FlnBが9-fluorenoneのangular dioxygenation産物からHBCを生産する酵素であることを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)