Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.UDP-ガラクトース輸送体とGFPとのキメラタンパク質の作製と生きた細胞での観察推定8回膜貫通タンパク質であるUDP-ガラクトース輸送体に対して各膜貫通領域のC末端側にGFP(蛍光緑色タンパク質)を連結し、生細胞内での蛍光顕微鏡観察を行った。C末端及びC末側親水性領域部分のアミノ酸を削ったキメラタンパク質は機能に影響が無く、細胞内において斑点状に蛍光を発する典型的なゴルジ体膜への局在を示した。一方、C末端側の膜貫通領域まで欠失したキメラタンパク質はもはやゴルジ体膜ではなく核周辺に強い蛍光が観察されたことから粗面小胞体膜に局在が変化したことが分かった。このことは8回目の膜貫通領域の欠失により立体構造の不安定化を生じ、粗面小胞体内腔での品質管理機構が働いたためにゴルジ体まで輸送されず、分解されていることが示唆された。本キメラタンパク質をゴルジマーカとして糖タンパク質の品質管理機構を解析した結果は論文投稿中である。2.UDP-ガラクトース輸送体の分解過程にユビキチン化が関与しているか明らかにする。輸送体のC末端側にmycタグを挿入し、免疫沈降できる系を確立した。特異性の高い分裂酵母由来のユビキチン化されたタンパク質を検出するためのウサギ免疫抗-ユビキチン化抗体を現在作成中である。3.レクチン様膜脂質結合型タンパク質の細胞内輸送系の確立と観察分裂酵母の細胞表層の糖タンパク質から糖鎖部分のみを精製し、FITC-ピーナッツレクチンラベルを行った。低温下において、凝集性を示す分裂酵母にラベルした糖鎖を培養液中で結合させた後、過剰な未結合のラベルした糖鎖を洗浄後、30℃で培養を続行することで、細胞表層のレクチン様膜脂質結合型タンパク質の経時的動きを蛍光顕微鏡下において観察を行っている。現在、種々のエンドサイトーシスされる膜タンパク質もクローニングしており、これらとの挙動を比較する。